現採十色

体験者たちが語るホントのトコロ

海外就職に「逃げるは恥だが役に立つ」~現採はアリかナシか~

あなたはいま日本でどの位置? 

現地採用は、得か損か。はたまたアリかナシか。海外での就職を転職の一つの選択肢とするのであれば、さまざまな要因を考慮すべきです。しかし、ネット上には、いい、悪い、両方の意見があり、簡単に結論は出せませんよね。

 

ベトナムで現地採用として働く私が考える、判断基準は、ただ一つ。 

「あなたがいま、日本でどのポジションにいるのか」

 例えば以下のような人は現地採用を選ぶメリットは何もありません。
(そもそも選択肢に入らないでしょうが。。)

◎一部上場企業、またはそれに準じる企業で十分な給与と手当を得ている方。
◎規模は大きくなくても労働環境がいい、ホワイト企業に勤めている方。
◎結婚して、子どもを抱えている方、住宅ローンがある方。

日本で相対的に恵まれた環境にある、
もしくは抱えているものが多く、リスクが高い、という方は不向きです。

アジア圏の現地採用では、明らかに条件がダウンするからです。
現地の物価水準に設定された給与、社会保険や年金のない状態では、
とうてい現在の生活レベルを維持することはできません。

 

では、どんな人が当てはまるのか?乱暴に言ってしまえば、

「日本での年収が300万円以下」

がボーダーになるでしょうか。なおかつ、下記に当てはまる人

◎ブラック企業でのサービス残業に疲弊し、「もうムリ」な人
→変な気を起こす前に日本を脱出してください。 

◎派遣社員、またはバイトで、経済的な保障がなく、
 日本にいながら、すでに待遇が東南アジアな人
プレッシャー、ストレスが確実に軽減される分マシです。
 物価が安い国が多いので可処分所得は上がるかもしれません。

◎公務員など安定した仕事に就いているが、
 退屈で、今後30年もガマンならない人
まちがいなく、刺激が多いです。ただし、自分の道は切り拓いてください。
 それもまた楽しいと感じられることが大切です。

◎就活で納得のいく結果を得られず、自信をなくしている新卒者
頑張ったあなたは、決してダメではありません。
 アジアの日系企業は人手が不足しています。
(ただ、ブラック会社でもなんでも日本で一度、死ぬほど働くことをおススメします)

 ◎とにかく海外で働きたい人。
こういう方は、そもそも日本での転職と天秤にかけないと思いますが。

 注)今回は、20代、30代の悩めるサラリーマンの転職の選択肢としての現地採用就職をテーマとしているため、日本で立派に定年まで勤め上げ、その経験を買われて現地採用で工場長や拠点長として迎えられるような方、または現地妻をめとり、永住する方は含まれておりません。
あと、ここでは現地採用就職で現地で定年まで働くことを想定していません。まずは、1~3年働いてみて、日本に帰るか、そのまま続けるか決めればいい。あくまで経験としての現地採用就職です。


どうでしょう。現地採用就職が現実味を帯びてきたでしょうか。
日本の厳しい環境で働き、疲弊している方に向けて、私が送りたい言葉は、 

「Szégyen a futás, de hasznos.」
(恥ずかしい逃げ方だったとしても生き抜くことが大切) 

というハンガリーのことわざ。(某ドラマより拝借)
「逃げる」の代わりに「避難」でもいいし、「リハビリ」でもいいでしょう。

 

日本だけの限られた選択肢の中で、自分自身を追い込まなくてもいいと思うのです。
一生懸命働いているのに、苦しいなら、それはあなたに合っていないのかもしれません。
働きやすい、生きやすい場所を探してみてもいいのではないでしょうか。
もっと視野を広げてみれば、ずっと気持ちが楽になるはず。

海外就職なんて、どうなるか分からない?
でも、それは次の会社がいい会社かどうか、入社しないと分からないのと同じです。

長い一生の1~3年なんて、自分で考えるほど、大きなものではありません。
手を抜かなければ、キャリアを棒に振るなんてこともありません。
婚期を逃すこともないでしょう(そうでもないか)。 

と、求職者の売り手市場であるベトナムで就活し、就労している私は思います。

 

さあ、あなたにとって、現採はアリ?ナシ?、どちらでしょうか。

 

(ブログ運営者 マツ)